根で吸われた水と養分は逆流する!?
2019-07-10
樹木医をしていると、不思議な相談が来ます。盆栽の愛好家の方ですが、
質問者:「根で吸った水や養分は逆流することはある?」
私:「いや。ないです。」
質問者:「でも、逆流してるんだよね。樹が枯れないもの・・・」
私:「えー!」
ということで、現物を見せてもらってきました。

盆栽ではよくあるのですが、植え替えとして、今まで木が立っていた方向と全く別の角度にして植えます。


ということで、植え替えと同時に、
黄色い丸が以前の根ですでに切除済み。
青い丸が不定根発根処理をして、それからそこを新しい根元として植栽実施。
これまで幹の途中だった青い部分にしか根がないんです。
写真ではわかりにくいかもしれませんが、確かに黄色い部部には根がない。
きれいに切り取られてしまっています。
そして、これまで青い丸より幹の下側に位置していた写真右側の枝も元気で枯れそうな気配がありません。
となると、
青い丸の部分の根で吸収された水、養分が幹を逆流して、以前の下の枝(写真右側)の枝に供給されていることになります。
うーむ、わかりません。。。
エチオピアの薔薇(バラ)について知る
2019-06-20
今日、エチオピアで生産された薔薇(バラ)を輸入し、お花屋さんとして、販売をされている方とお話をする機会がありました。
(参照 https://etrose-project.com/)
詳しくは下記よりどうぞ。
https://etrose-project.com
エチオピアのバラは、ほかのバラより圧倒的に長持ちするそうです。
初めて知りました。
何でだろう?と思い、質問したところ、面白い回答が返ってきました。
紫外線が圧倒的に強い
なるほど!
エチオピアは高原の国、首都のアジスアベバは標高2400m、のため、日本などと比べ、紫外線が圧倒的に強く、皮膚ガンになるレベルだそうです。
さらに、
超アルカリ性の土壌で栽培されている
なるほど!
アルカリ性はカルシウムやマグネシウムが原因と推測されます。
この2つの理由は面白いですね。
紫外線が強いと、植物は自分の体内にアントシアニンなどを蓄積します。
アントシアニンにより、自分の体を紫外線から守ろうとします。
アントシアニンと聞いてピンときた女性の方が多いと思います。
ポリフェノールの一種で、抗酸化作用があります。つまり、アンチエージング効果があるのです。
ゆえに、バラが長持ちする。
なるほど!
また、超アルカリ性の土壌で育ち、
アルカリ性の原因であるカルシウムやマグネシウムをふんだんに吸収していると思われます。
カルシウムは、細胞1つ1つを丈夫にします。
マグネシウムは、葉の光合成能力を向上させます。つまり、切り花になっても、カルシウムでしっかりした細胞を持ち、体中から水が抜けにくい構造をしているのではないかと。また、切り花になっても、葉は光合成を続けます。その光合成によりしっかりと生きていくための栄養分を効率的に製造し、体中に送り続けることが出来ます。
なるほど!
面白いですね。
悪環境で育つがゆえの強さですね。
面白い話を聞きました。
「土に触れる生活が心身の健康につながる。抗ストレスの妙薬は「土壌」にあった」という研究結果があるそうな
2019-06-10
ふと題記のような研究結果があることを見かけました。樹木医という仕事をしているとこういう関連の記事に目が留まります。
「土に触れる生活が心身の健康につながる。抗ストレスの妙薬は「土壌」にあった:研究結果」

https://wired.jp/2019/06/10/healthy-stress-busting-fat-found-hidden-dirt/
まあ、なんだか不思議な論文です。
たしかによほどの綺麗好きの人以外は、土いじりが大好きですね。
子供も土で遊ぶのは大好きですし。
私はいつも土を掘ってます。。。
土を触っているだけで、心身の健康が維持できるのなら、仕事柄そんな楽な話はないです。
土いじりをしていると、「なんとなく癒される」と思っている人たちに学術的に正しいよ!と教えてくれた研究です。
苔を判定する
2018-08-23
今日は、以前より相談を受けていた苔についていろいろと動いていました。下記の写真の苔がなんという名前かわからないので、まずそこから専門家に教えてもらうことからスタートてす。


この2つは日本で需要の多い苔、
ウマスギゴケ、ホソバオキナゴケの2つです。
通称、杉苔、山苔です。
今後はこの2つの苔の生産に関わっていくことになりそうです。
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